単行本(実用) 哲学 <公正(フェアネス)>を乗りこなす / 朱喜哲

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管理番号: BO3998147
発売日: 2023/08/29
著: 朱喜哲

商品説明

哲学
【内容紹介】
正義は暴走しないし、人それぞれでもない──。
アメリカ大統領選挙から、日本の「道徳」の授業まで、現代において「正義」や「公正」といった「正しいことば」はどのように使われているかを検討。
ジョン・ロールズ、リチャード・ローティ、アイザイア・バーリン、ジュディス・シュクラー、アイリス・マリオン・ヤング、スタンリー・カヴェルなどの議論を参照しながら、「正しいことば」の使いこなし方をプラグマティズム言語哲学から探る。
「正しさ」とはなにかを考えるうえで、わたしたち自身の”ことばづかい?を通して「正しいことば」をとらえなおす画期的論考。
【目次】
はじめに
序章○正しいことばの使い方
「正しいことば」はややこしい??ほんとうの意味を理解できなくても、正しく使うことはできる?ことばを乗りこなすために?ルールはあってもルールブックはない?「会話を止めるな」
第I部◎「正義」というテクニック
1章○「正義」の模範運転とジョン・ロールズ
アメリカ大統領選挙をとりまくことば?「正しいことば」の帰還??ハリスの「正しいことば」?バイデンが指し示した「理念」?「正義」の凋落とジョン・ロールズの登場?ロールズによる「正義」と「善」の区別?「公正としての正義」?「正しいことば」に息を吹きこむ
2章○「正義」の前提としての「公正」
アメリカの「正義」、再訪?合意するための「場」?みなでとりくむ「命がけの挑戦」?現にともに生きているから、他者が気になる?わたしたちは「適度な」正義を実現できる?「全員にとっての利益」のための責務?コロナ禍における「自粛」と公正?「公正」は、思いやりや優しさではない
3章○道徳教育と「正しいことば」の危険運転
学校で学ぶ「正しいことば」?「道徳」教科が掲げる目標?公正とは「差別はよくない」ということ??道徳の延長線上にある「正義」?法外な目標は「正しいことば」を空虚にする?日本における「正義」の息苦しさ?「道徳としての正義」と会話における事故?会話の止め方--三つのタイプ
4章○「道徳としての正義」とトランプ現象
ドナルド・トランプと「正しいことば」?トランプ現象を「予言」した哲学者?なにが「予言」されたのか??「アイデンティティ・ポリティクス」の時代?「マジョリティの怒り」を分節化する?「感情」に火をつけたトランプ?「当事者性のことば」と「正しいことば」
コラム1●「交差性(インターセクショナリティ)」が行き交う世界
第II部◎「正しいことば」のよりどころ
5章○「会話」を止めるとはどういうことか
あらためて、ことばを「乗りこなす」とは?ローティのいう「会話」とはなにか?「議論」や「探求」よりも「会話」が先にある?「会話の豊さ」を毀損する話法?ローティ流の「会話」と「正しいことば」?正しいことばの使い方が「会話」を豊かにする?「論破」ゲームの陥穽?「正しいことば」を使いわけるために
6章○「関心」をもつのはいいことか
積極的無関心のすすめ?「関心」と「interest」?「関心」をかき立てる想像力?社会学的想像力の副作用、「過剰な」関心?「無関心」としての「寛容」?「関心」を理解し、乗りこなす
7章○「自由」を大切に使う
正しいことばとしての「自由」?現実政治と対峙する哲学者バーリン?バーリンが区別する二種類の自由?「信教の自由」から考えるバーリンの自由論?自由と寛容/不寛容?「不寛容に対する寛容」は成り立つか?「自由」ということばの陥穽と例外
8章○わたしたちの「残酷さ」と政治
なにから自由を守るのか??だれもが弱者であり、強者でありうる?「善」ではなく「悪」についての一致?なによりまず「残酷さ」を低減せよ?「残酷さ」への着目の系譜?わたしたちの「残酷さ」を直視する
コラム2●だれも「中立」ではいられない
第III部◎「公正(フェアネス)」を乗りこなす
9章○理論的なだけでは「公正」たりえない
「残酷さ」への着目と「正義」の構想?身体感覚としての「残酷さ」は相対的なのか??動物倫理と「文化・伝統」とのあいだの緊張?あまりに「西洋的」でも、あまりに抽象的でもない?ことばをもてないことの「残酷さ」?理論的なことばだけでは足りない
10章○「公」と「私」をつらぬく正義
それでも「正義はよいものだ」と言うために?社会において両立しえない複数の「善」?理念が個人を殺戮するとき?「まちがっていたくない」という怯懦?「バザール」と「クラブ」?比喩による「公/私」の整理とその限界?バザールの「正義」?わたしたちが生きる空間で響く複数の声
11章○「公正」というシステムの責任者
「公正としての正義」という仕組み?「正義」とは構造の問題である?「合理的配慮」の問題?「配慮」ではなく「調節」?ロールズの「正義」構想のデメリット?問題は「構造的不正義」である?「公正としての正義」を駆動させつづける責任
12章○正義をめぐって会話する「われわれ」
だれが「われわれ」なのか?「正義をめぐる会話」への、届かぬ叫び?黙らせ、不平等を正当化する「力」?「憤激」と「ねたみ」?だれが「力」を行使しているのか?むすびにかえて
あとがきにかえて
【著者略歴】
1985年大阪生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。大阪大学社会技術共創研究センター招へい教員ほか。専門はプラグマティズム言語哲学とその思想史。前者ではヘイトスピーチやデータを用いた推論を研究対象として扱っている。
共著に『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる』(さくら舎)、『世界最先端の研究が教える すごい哲学』(総合法令出版)、『在野研究ビギナーズ』(明石書店)、『信頼を考える』(勁草書房)など。共訳に『プラグマティズムはどこから来て、どこへ行くのか』(ブランダム著、勁草書房)などがある。