商品説明
詩・歌集
【内容紹介】
500年の歴史をもつ活版印刷から、写真植字、DTP(デスクトップ・パブリッシング)へと、この50年で印刷の技術はアナログからデジタルに大転換した
印刷会社に勤務してきた詩人が、「目前の作業をぽつぽつと、しかし愛情だけは注いで」書いた“わたしの印刷”詩集(1992~2007年)
●解説
『印刷詩集』によせて:印刷・出版の激動期を振り返る[坂口博氏]
書 物
「世界は開かれた書物だ」
ある西洋の詩人が言った
「書物は閉じられた世界だ」
ある日本の詩人が言った
世界の一隅を耕すように
わたしたちは書物を作る
汗を流して知識の草を刈る
むかし 鉛の文字を積み上げた
たくさんの先輩たちに感謝しながら
わたしたちは光の文字を組み上げる
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白い闇
白い紙の闇に
光がさしている
ページを開けば
きらめく言葉のシャワー
千年まえの
十二ひとえの姫君の恋も
バラのトゲで死んだ詩人の涙も
色あせず すり減らず
紙は伝える
筆 木版 活字 DTP
生まれ変わり 死に変わり
紙の白い闇にことばの光がさす
【著者略歴】
1948年、佐賀県に生まれる。
所属:日本現代詩人会、日本文藝家協会、福岡県詩人会、福岡文化連盟
●著書
『詩集 花象譚』詩学社、1985年[*福岡県詩人賞/福岡市文学賞]
『TAIWAN』詩学社、1999年[*第50回H氏賞]
『詩集 父音』土曜美術社出版販売、2016年
『龍秀美詩集TAIWAN』(中文版)花乱社、2021年
『詩画集 とうさんがアルツハイマーになった─多桑譚』花乱社、2022年
●編著書
『一丸章全詩集』海鳥社、2010年